平安物語【完】



――翌々日
日柄が良いという事で、右大将殿の姉君のお引っ越しがありました。

ご挨拶に行こうかと迷いましたが、『妊娠中の姿を恥ずかしがっておりますので』と父上から言われ、ご誕生のお祝いの時まで延期となりました。


右大将殿の姉君が御車から降りる時、父上が寒椿を一枝差し上げてから抱き上げたのだとかで、世間では「椿の上」とお呼びして大騒ぎをしています。



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