平安物語【完】
すると尚仁様は優しく微笑んで、
「間違いないですよ。
あなたが倒れて、急いで沢山の者に祈祷や占いをさせたのですが、それら皆から祝を言われました。
それに…ほら…。」
と乳母に目配せなさいます。
すると乳母はコホンと咳払いをして、
「お月の物も、ここ3ヶ月ございませんでしょう?
その事も御気分の悪さも、最近の暑さにやられてしまっての事かと思ってしまっていました。
その御気分の悪さは、悪阻でございますよ。」
と、にっこりと笑います。