平安物語【完】
「……これから四ヶ月、いや五・六ヶ月も会えないのだぞ。
そなたは出産の苦しみを味わうと言うのに、私は側についていてやることも出来ぬ。
もし………。」
尚仁様はそこで口を閉じましたが、仰りたいことは分かりました。
『もし、出産で私が死んだら。』
有り得ない事ではありません。
寧ろ、この年なら…その可能性の方が高いかもしれません。
尚仁様が仰ろうとした事が分からなかった若い女房などは、いつになく砕けた口調の尚仁様に、きゃあきゃあ囁きあっていました。