平安物語【完】
「えぇっ!?
あの帝一筋の女御様が!?」
「しっ、声を落としてよ…」
「根も葉もない噂よ。
何年も御子がお出来にならなかったのに今度のおめでただから、とんでもない邪推をしているのよ。」
「そんな事言ったって…
密通だなんて、何でそんな…」
「右大将様がやり玉に上がっているの。
女御様のお側近くお話なさったのが、どこかから漏れたのよ。」
「そんな事有り得ないわ。
私達が気付くに決まっているじゃない!」
「あなた、鈍いわね。
女御様が第一皇子をお産みになったら、中宮様を支援している左大臣方が不利になるでしょ。
だからこんな噂を立てて、いざとなったら皇子を廃そうとしているのよ!」