平安物語【完】
「それに、帝がこんなデマをお許しになる筈がございませんわ。」
弁が思い出したように付け足したのを聞いて、再び心が沈みました。
「……帝がお信じになったら、どうしましょう…。」
すると弁が「ほほほ」と声を上げて笑いました。
「女御様のあのお喜び様をご覧になっているのですよ?
御自分の御子だとお思いにならない訳がございませんわ。
もし…万が一にも疑うようなら、もうそんな男は捨ててしまわれませ。」
あまりにもあっけらかんと言うので、私も「ふふ」と笑います。
「そうね…ありがとう、弁。」