平安物語【完】



そうとは申しましても世間とは口さがないものですから、右大将の君にはあくまで重々しい振る舞いをするように申してあります。

右大将の君は、すぐにでも私の所へお礼に行くと言ってきかなかったのですが、もう暫く邸で身の回りを整えるようにと何とか説得しました。

私の所へ来てくれるのは、年が明けて出産予定の睦月で良いと言っているのですが、何としても今年中にと言い張って、二十日の夜から五日間、来てくれるそうです。



< 506 / 621 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop