平安物語【完】
しばらくして、せわしなく乳母が入って来て
「どこか痛いところはありませんか?」
とあれこれ世話を焼いてくれます。
御帳台の帳を次々に上げてしまうと、そこには父上を始めとしたご一同が座っています。
私の姿を確認すると、父上が立ち上がってこちらへいらっしゃいます。
その腕には、おくるみに包まれた若宮が眠っていらっしゃるのでした。
「姫、よく頑張ったな…
そなたの皇子です。」
そう言っておくるみごと渡された若宮を抱き取ると、ほんの小さいけれど、一生懸命手をばたつかせる我が子がいました。