平安物語【完】
私は驚いて、
「何を仰いますか。
帝と中宮様の間にお生まれになった皇子が、東宮になるべきでないなんて…」
と反論しようとするのを、「女御様、女御様、」と頭を振りながら、中宮様が遮りました。
その瞳には、涙が滲んでいます。
驚いて手を差し伸べようとすると、中宮様はまた頭を振られて、
「わ…私は……女御様に謝らなくてはなりません。
謝っても、お許しは頂けますまい。
でも…申し上げなくては……」