ヤンキー高校に転入した私

放課後の喧騒を背に

満が学校に入ってきたのを目撃した大和は、何も言わずに試合を抜け出して行ってしまった。1組のメンバーはドキドキしながら大和を見送った。

「うまくいくっすかね〜」
「願うしかねぇ!」
「大和さんの恋が成就しますよーに!」
「大和さんの覇気が戻りますよーに!」

試合の最中に手を合わせて祈る1組のクラスメイトを見て薫は笑っていた。

「薫さん、うまくいったら手を出さないでくださいよ?」
「どうかな。人の物って魅力的じゃん?」

薫の発言に1組全員の顔が引きつった。

「始まったー!」
「薫さん最悪の特技!」
「ははは。楽しみだなぁ。大和の彼女を奪うのが……」

「てめー!どこ見てんだよ!」

ワイワイしている1組に閃爆が襲いかかる。

「少なくともお前は見てないかな。」

薫は倒れた相手を見てニヤリと笑った。
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