冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


「あの人たちからしてみれば、全部私が悪いって、なるみたいです……。昔から、そうなので」

「……? どういうことだ」

「元凶は、すべて私にあってこうなったって」


 そこまで言うと、しんとしている展望エリアに沈黙が落ちる。

 私が話すのを待ってくれているのが彼から伝わってきて、気持ちを落ち着かせて口を開いた。


「離婚も、彼の不貞が原因で決まったことでした。でも……そうさせたのは私が悪いって。自分が外に目を向けたのは、私が妻として足りないから、魅力がないから、家に帰りたくならないからだって」


 今でも、あのとき元夫に突き付けられた言葉の数々は消えずに残っている。

 言い返す気力も奪われるほど、その言い分は勝手すぎた。


「情けないことに、私……強く言い返せなかったんですよね。怒ってもいいはずなのに、それもできなくて。彼の言う通り、私がそうさせてしまったのかもなんて、挙句の果てにはそんな思考に陥ってみたり」


 思い出される酷な過去に喉が詰まってくる。

 あの時に戻れるなら、今ならどんな言葉をぶつけられるだろう。

 悔しい。やるせない。

 喉奥に硬いものが突っかかって圧迫しているような苦しさに襲われ、同時に目に涙も浮かんでくる。


「こんな弱くてどうしようもないんだから、愛想尽かされても仕方なかったん──」


 言葉の語尾を失うくらい、驚いて目を見開いていた。

 少し強引な力で抱き締められ、思わず息を止める。

 突然のことに、なにが起こったのか頭の中は真っ白。

 微かに鼻孔をくすぐる甘いエキゾチックな香りと、自分の鼓動が高鳴っているのを静止したまま感じていた。

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