冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「え……?」
突然それはどういう意味なのか。
真意がわからず、じっと彼の顔を見上げる。
七瀬CEOはふっと薄い唇に笑みをのせた。
「どうだ」
「え、どうだって……あの、関係を続けるなんて、あのときは七瀬CEOのご依頼で婚約者のフリをしただけですから」
「それなら、また依頼だと言えば受けてくれるのか」
そう言われてしまうとなにも言えなくなってしまい、言葉に詰まる。
「それは……確かに、あのときと同じですから、務めさせていただくかもしれないです。でも、その必要は──」
「じゃあ決まりだ」
戸惑う私の声を遮るようにして、七瀬CEOがまとめる。
「そのほうが俺も都合がいい。今から君は、再び俺の婚約者だ」
急展開に、落ち着きを取り戻しつつあった気持ちがまた乱される。
「ですがCEO、私はあのときだけのことだからお受けしましたが、それが継続となると」
そこまで言ったところで、いきなり私のお腹が「ぐ~」と音を鳴らす。
つい反射的に「あっ」お腹を押さえてしまい、余計ごまかしがきかなくなった。
なんでこんな真面目な話をしてるときに!? しかも、お腹の音鳴るとか恥ずかしすぎる……!
案の定、七瀬CEOはくすっと笑みを漏らす。
一気に赤面して、隠すように俯いた。照明が暗いのが唯一の救いだ。
「下のレストランで食事でもしていこう」
七瀬CEOはそう言ってあの日のように私の手を取った。