由良君は離さない
2
――……




「……え?付き合ってるわけじゃないんだ」

「みたいだよ。あんなに仲良いのにね」

「美男美女でお似合いなのにね」



ホームルームが始まる少し前
いつものように、廊下で由良君と話していると

廊下を歩いていた、他のクラスの子達が
私と由良君を横目で一瞥して

そんな事を話しながら
自分達の教室へと入っていく。



……由良君も、そうだけど
私も、人目を引く容姿だからか

あんな風に、なにかと話のネタにされやすい。



「じゃあ、綴。またお昼に」

「うん」



ああいう反応には慣れっこな
由良君と私は、あまり気にしない。


普通に会話を続けた後


手を振りながら、由良君を見送って
私も自分の教室へ向かう。



「おかえり」

「ただいま」



熱心に本を読んでいた梓が
戻ってきた私に気付いて顔をあげる。

笑顔を返して、梓の前の席に座る私。



「それ、面白い?」

「ホラーは初めて読んだけど、面白いよ」

「そっか」



高校入学から数ヶ月。


いまだに、周りからは
変に距離を取られるか、反対に詰められるかの中


中学から一緒の梓だけは、唯一
普通の距離感で、対等に接してくれる。
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