秘密のdiary【兄と僕の嘘】
兄のデートをなぞってるだけ
ラブホテルに、連れてこられるとは思ってもみなかった。
八《はち》は、慣れた手付きで部屋を決めた。
そして、中にはいる。
机の上に、バーガーを置いた。
「手洗って、食べよか」
「うん」
僕は、八と手を洗いに言った。
八は、緊張しないのだろうか?
「写真撮らなアカンで」
八は、そう言ってバーガーを出した。
「これが、普通で。これが、スモールな」
僕の目は、固まった。
普通サイズは、どう見てもスモールの三倍だった。
スモールは、どこにでも売っているハンバーガーのサイズだ。
「ハハハ、兄弟やな。若も、固まってたで。」
「ほんまに、これは凄いな」
「写真撮りや」
そう言われて、三《さん》に見せる為に写真を撮った。
「もう、充分やわ。ビール飲むか?」
八は、そう言って冷蔵庫からビールを取り出した。
「充分って?」
「もうええって事やで。君は、若やない。何て呼ばれてんの?」
「九你臣《くにおみ》のくが九の漢字やから、九《きゅう》って呼ばれとる。」
「九か、いい名前やな」
プシュッと、ビールを開けると八は、スモールサイズのバーガーの袋を捲ってかぶりついた。
「何で、ええの?」
僕の言葉に、八はティシュで口を拭いてバーガーを飲み込んだ。
「死んでんのに、いつまでもやったら悲しなるだけやん。俺も、いい加減前向いていかなアカンやろ。でも、ありがとうな。俺ん中では、若は17歳の夏終わってから死んだ存在やったから。今日は、めっちゃくちゃ嬉しかったわ」
そう言って、八はくしゃくしゃの笑顔を向けた。
「ほんなら、よかったです。ちょっと、トイレ」
僕は、鞄を持って洗面台にきた。
日記帳を取り出した。
【三回目のデート。八の優しさが、堪らなく辛い。今日は、疲れもあって眠りたかった。八は、俺をラブホに連れてきた。来た理由は、俺を寝かせてあげたいからだった。帰る?って何度も聞いてきた八に帰りたくないとワガママを言った。八は、つくなり足のマッサージをしてくれた。パンプスがサイズがあってない事を心配してくれていた。俺は、気づくと眠っていた。目を覚ましたら、ベッド下に八が座ってた。バレてなかった。よかった。帰る時に、八にキスがしたいと言われた。男やし、初めてやし、色々頭を駆け巡ったのに頷いた。キスが終わって思ったのは、八とは、イヤじゃなかった】
僕は、兄の日記をしまった。
やっぱり、兄のデートをなぞってるだけだったんだ。
何をドキドキしてるんだ。
僕は、八の元に戻った。
「お腹、冷えたりしたんやない?」
「大丈夫」
「足は、いたない?」
「大丈夫」
兄の言葉と同じ事を僕も、思っていた。
こんなに優しい人を傷つける事をしてると思うと堪らなく辛かった。
「何時に帰るとかゆうてくれたら、それまでには出るし」
「何で?そんなに優しいんですか?」
「優しい?ほんまに?自分では、気ぃつかへんけど」
「八は、優しいよ」
「ありがとうな。」
八は、ハンバーガーを持ってない方の手で僕の頭を撫でた。
「ほら、冷めるで。食べや」
「うん、食べる」
僕は、ハンバーガーに噛りついた。
「うまー」
「せやろ?うまいやろ?」
そう言って、見つめられた途端に味がわからなくなってしまった。
何故だろう?
八と二人で、この場所にいると…。
三《さん》や竹君といるのと違う感情に思えてくる。
嫌、これは兄の日記を読んだからだ。
10代の頃は、友達と好きの境界線が曖昧で…。
兄もまた、それに翻弄された日記を書いていたのだ。
それを読んだせいで、僕も翻弄されてるに過ぎないのだ。
「ソース、ついてんで」
さっきとは、違って八は指で取った。
「あっ…。」
「ごめん。嫌やったよな」
「う、ううん。」
その手で、何事もなくハンバーガーを握りしめた。
僕の口についたソースが、八のハンバーガーについたのではないか?
「やばー。」
八の手にハンバーガーのソースが溢《あふ》れた。
八は、さっき僕の口のソースを拭った手を口に含んだ。
八《はち》は、慣れた手付きで部屋を決めた。
そして、中にはいる。
机の上に、バーガーを置いた。
「手洗って、食べよか」
「うん」
僕は、八と手を洗いに言った。
八は、緊張しないのだろうか?
「写真撮らなアカンで」
八は、そう言ってバーガーを出した。
「これが、普通で。これが、スモールな」
僕の目は、固まった。
普通サイズは、どう見てもスモールの三倍だった。
スモールは、どこにでも売っているハンバーガーのサイズだ。
「ハハハ、兄弟やな。若も、固まってたで。」
「ほんまに、これは凄いな」
「写真撮りや」
そう言われて、三《さん》に見せる為に写真を撮った。
「もう、充分やわ。ビール飲むか?」
八は、そう言って冷蔵庫からビールを取り出した。
「充分って?」
「もうええって事やで。君は、若やない。何て呼ばれてんの?」
「九你臣《くにおみ》のくが九の漢字やから、九《きゅう》って呼ばれとる。」
「九か、いい名前やな」
プシュッと、ビールを開けると八は、スモールサイズのバーガーの袋を捲ってかぶりついた。
「何で、ええの?」
僕の言葉に、八はティシュで口を拭いてバーガーを飲み込んだ。
「死んでんのに、いつまでもやったら悲しなるだけやん。俺も、いい加減前向いていかなアカンやろ。でも、ありがとうな。俺ん中では、若は17歳の夏終わってから死んだ存在やったから。今日は、めっちゃくちゃ嬉しかったわ」
そう言って、八はくしゃくしゃの笑顔を向けた。
「ほんなら、よかったです。ちょっと、トイレ」
僕は、鞄を持って洗面台にきた。
日記帳を取り出した。
【三回目のデート。八の優しさが、堪らなく辛い。今日は、疲れもあって眠りたかった。八は、俺をラブホに連れてきた。来た理由は、俺を寝かせてあげたいからだった。帰る?って何度も聞いてきた八に帰りたくないとワガママを言った。八は、つくなり足のマッサージをしてくれた。パンプスがサイズがあってない事を心配してくれていた。俺は、気づくと眠っていた。目を覚ましたら、ベッド下に八が座ってた。バレてなかった。よかった。帰る時に、八にキスがしたいと言われた。男やし、初めてやし、色々頭を駆け巡ったのに頷いた。キスが終わって思ったのは、八とは、イヤじゃなかった】
僕は、兄の日記をしまった。
やっぱり、兄のデートをなぞってるだけだったんだ。
何をドキドキしてるんだ。
僕は、八の元に戻った。
「お腹、冷えたりしたんやない?」
「大丈夫」
「足は、いたない?」
「大丈夫」
兄の言葉と同じ事を僕も、思っていた。
こんなに優しい人を傷つける事をしてると思うと堪らなく辛かった。
「何時に帰るとかゆうてくれたら、それまでには出るし」
「何で?そんなに優しいんですか?」
「優しい?ほんまに?自分では、気ぃつかへんけど」
「八は、優しいよ」
「ありがとうな。」
八は、ハンバーガーを持ってない方の手で僕の頭を撫でた。
「ほら、冷めるで。食べや」
「うん、食べる」
僕は、ハンバーガーに噛りついた。
「うまー」
「せやろ?うまいやろ?」
そう言って、見つめられた途端に味がわからなくなってしまった。
何故だろう?
八と二人で、この場所にいると…。
三《さん》や竹君といるのと違う感情に思えてくる。
嫌、これは兄の日記を読んだからだ。
10代の頃は、友達と好きの境界線が曖昧で…。
兄もまた、それに翻弄された日記を書いていたのだ。
それを読んだせいで、僕も翻弄されてるに過ぎないのだ。
「ソース、ついてんで」
さっきとは、違って八は指で取った。
「あっ…。」
「ごめん。嫌やったよな」
「う、ううん。」
その手で、何事もなくハンバーガーを握りしめた。
僕の口についたソースが、八のハンバーガーについたのではないか?
「やばー。」
八の手にハンバーガーのソースが溢《あふ》れた。
八は、さっき僕の口のソースを拭った手を口に含んだ。