イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした
『わかりました。今、向かいます。念のため、周囲も確認しますから』

神谷の返事は、即答だった。
判断に迷いはなかったが、声には慎重さもにじんでいた。

「でも……本当に、ただの思い込みかもしれなくて。ドアマットが、少しずれてただけなんです」

『気のせいかもしれないと思っても、気づいてくださったのは大事なことです。
確認して、何もなければそれでいい。逆に、何かあったときは――遅いですから』

その言葉に、美香奈の胸がじんわりとあたたかくなる。

『10分ほどで着きます。念のため、玄関のチェーンをかけておいてください』

「……はい」

短い会話だった。
けれど、そのひと言ひと言が、確かに美香奈の不安を受け止めてくれていた。

通話を切ったあと、スマホを胸元に抱く。

(ああ、やっぱり……この人に電話して、よかった)

そう思ったとき、玄関の外の静けさが、少しだけ優しく感じられた。
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