豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網
「もう、無理。走れない……」
「体力ないねぇ。もう少し鍛えたら?」
ゼイゼイと肩で息をする私とは対照的に涼しい顔でクスクスと笑う奴を本気でド突きたくなる。
「あんたねぇ。私はヒール履いてるのよ! フラットシューズのお前と一緒にすんな!!」
「確かにそうか。でも、衆人環視のあの場にずっといるよりマシだったんじゃない? それとも、あの場でキスでもした方が良かった?」
「なっ!! な訳あるかぁ!!!!」
私の反応がツボにハマったのか、腹を抱えて笑い出した奴を見て、怒りのボルテージが急上昇して行く。
落ち着け、落ち着け……
頭のなかで『平常心平常心』と念仏のように唱える。怒りの感情を露わにすれば奴を益々つけ上がらせることになるのはわかりきっていた。
「くくっ、本当面白い。会社ではバリバリの出来る女なのに、自分のテリトリーから外れたら、こんなに可愛くなるなんてな。ガキの言動に振り回されてるアンタ、本当可愛いよ。デートのために、爪にネイルして、ワンピースも新しく買って、時間をかけてヘアメイクもして、俺のためにオシャレしてくれたんだろう? なのに、心底不本意って顔をする。本当、意地っ張りで可愛い」
七歳も歳下の男に、可愛いを連呼され気恥ずかしさに頬が熱を持ち始める。
「別に貴方のためじゃないし、自惚れないでよね」
「そういう所が意地っ張りなんだよ。それにさぁ、さっきだって目が合った瞬間逃げようとしたよな? だから逃げられないように捕まえておかないと。今だって逃げられるなら逃げ出したいと思っているだろう? だから……」
繋いでいた手の指先が絡み合う。
「こうやって繋いでおかないとね。じゃ、行こうか」
絡めた指先をキュと握られ、ジっと痺れるような熱が指先から全身に駆け巡り、奴の手を振り解くことが出来なくなってしまった。
「体力ないねぇ。もう少し鍛えたら?」
ゼイゼイと肩で息をする私とは対照的に涼しい顔でクスクスと笑う奴を本気でド突きたくなる。
「あんたねぇ。私はヒール履いてるのよ! フラットシューズのお前と一緒にすんな!!」
「確かにそうか。でも、衆人環視のあの場にずっといるよりマシだったんじゃない? それとも、あの場でキスでもした方が良かった?」
「なっ!! な訳あるかぁ!!!!」
私の反応がツボにハマったのか、腹を抱えて笑い出した奴を見て、怒りのボルテージが急上昇して行く。
落ち着け、落ち着け……
頭のなかで『平常心平常心』と念仏のように唱える。怒りの感情を露わにすれば奴を益々つけ上がらせることになるのはわかりきっていた。
「くくっ、本当面白い。会社ではバリバリの出来る女なのに、自分のテリトリーから外れたら、こんなに可愛くなるなんてな。ガキの言動に振り回されてるアンタ、本当可愛いよ。デートのために、爪にネイルして、ワンピースも新しく買って、時間をかけてヘアメイクもして、俺のためにオシャレしてくれたんだろう? なのに、心底不本意って顔をする。本当、意地っ張りで可愛い」
七歳も歳下の男に、可愛いを連呼され気恥ずかしさに頬が熱を持ち始める。
「別に貴方のためじゃないし、自惚れないでよね」
「そういう所が意地っ張りなんだよ。それにさぁ、さっきだって目が合った瞬間逃げようとしたよな? だから逃げられないように捕まえておかないと。今だって逃げられるなら逃げ出したいと思っているだろう? だから……」
繋いでいた手の指先が絡み合う。
「こうやって繋いでおかないとね。じゃ、行こうか」
絡めた指先をキュと握られ、ジっと痺れるような熱が指先から全身に駆け巡り、奴の手を振り解くことが出来なくなってしまった。