不完全な世の中

不完全な世の中

 私には、4年前から一緒にいる大好きな親友がいる。けれど、親友には1つだけ大嫌いなところがある。親友の口癖、それは「あなたは幸せになって、私とは違うから」だった。私はその言葉が、今までで1番と言っていいほど嫌いな言葉だ。
 彼女と仲良くなったのは小学5年生の時、きっかけはささいな事だった。誰にでも優しくていつも笑顔な彼女だったけれど、どこか無理をしているような気がして声をかけた。それから関わる事が増えて、次第に私達は仲良くなった。周りから見てもお互いが特別だと分かるようで、「いつも仲良し」とよく言われた。その度にきゅうっと胸が苦しくてなぜか嬉しくて、私は彼女に笑顔を見せた。彼女がそれで、どれだけ苦しんでいたかも知らずに。
 彼女が私に全てを打ち明けてくれたのは、小学6年生の頃。彼女の父親は厳しい人で、よく「お前に生きる価値などない」と言われてきたそう。さらに、近所に住んでいた3人のお姉さんにいじめられていたそう。私が家族の話をし出すと複雑な顔をしていたのは、そういうことだったのかと気がついた。彼女の口から語られたことは1つもいいことなどなく、ただただ苦しかった。私はその話を聞いて、嬉しさと怒りが入り混じった感情に支配された。私にそこまで打ち明けてくれた事が嬉しかった。けれど、なぜ彼女がこんなにも苦しい思いをして生活しなくてはならなかったのか、と怒りの気持ちも強かった。また、気がついてあげられなかった自分にも怒りがあった。
 日本には「基本的人権の尊重」という憲法がある。私の親友を否定した彼女の父親は、いじめていた3人のお姉さんは…人権を知らないのだろうか。その行動は、人権侵害に当たるものではないのだろうか。彼女を否定してきた人は、罰を受けてもいいのではないだろうか。
 私は彼女に「今までよく頑張ったね」とも「これから頑張ろう」とも言わなかった。なぜなら、彼女はもう十分に頑張ってきたから。そして、きっと彼女はこの先も抱え続け、自分の価値を見出すために努力するだろう。私が伝えたのは「いつだって君と戦いたいよ!自信がないなら、私が君を導く一番星になるから」ということだけ。これが私の想い全てで、本心だったから。
 “人権”というのはまだよく分からない。意見を言うことができる権利というのならば、意見を押し殺している彼女は、権利を否定されているのではないだろうか。私はもっとたくさんの人に人権という言葉を考えてほしいと思う。きっと周りには、親友のようにずっと苦しんでいる人がまだまだいるから。私は苦しんでいる人達を助けたいと思う。
 親友はよ、「この世はいつだって不完全だ」という。本当にそうだと思う。人権問題で苦しんている人が、この世界にはまだたくさんいるのだから。見て見ぬ振りをするのではなく、1人1人が“耳”になってあげてほしいと思う。それで救われる人はいるはずだから。
 私は今日も親友の隣で笑い、戦っている。過去に縛られる彼女を、必死に救おうと手を伸ばしている。彼女の前は歩かない。いつだって横にいるよ。今日も私は彼女の“本当の笑顔”を見るために、君の横でとびきりの笑顔で笑ってる。
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