蟀谷にピストル

初恋は




初恋。

相手、誰だっけ?


右を向く。安っぽい女が微笑む。
ああ、うぜえ。

ただのクラスメイトなのに俺に向かって微笑んでんじゃあねぇよ。

そいつにありったけの皮肉を込めて、笑ってやる。(あ、今すげー顔された。)


まぁ初恋なんで幼稚園の先生だろう。

どうでもいいか。


今日最後のチャイムが鳴る。

帰ろ。どうでもいいはずなのに、初恋が頭から離れない。

ガシガシと頭をかけば、



ああ、あの子だ。目の前にいる。あの、いや、あいつ。

そうか、あいつか、俺様の幼馴染という代名詞がついた。

あいつ。思い出した。
ずっと好きなんだ。

あいつが初恋なんだ。(この間俺は、こいつが好きだと気づいたばかり)かわいいく、愛しい人。

彼女が振り向く。
胸が高鳴る(女か俺は、)

「ねえ、顔真っ赤。」

彼女は笑いを堪えるように言った。

心臓はバクバグはちきれそう。

不意に出た。

「好き。」

彼女の香りが肺いっぱいに入り込む。

「私も、」

耳元で言われた。

細い肩をキュッと締め付け、だけど優しくハグ。


"はつこいは、"

(ずっと一緒に居てくれ。)(子供か!お前は、)
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