蟀谷にピストル

終わり端のきす




ねえ、チュウしてもいい?

良いけど、どうしたの?急に。


5分前の会話。

私たちは、穏やかな洋楽か流れる部屋にいる。

彼からきすの了承をうけたのに、私はまだきすをしてない。


「ねえ、チュウしてもいい?」

また私は聞いた。

「いいよ。」

彼はこう答えたらから、私は彼の体の上に跨った。
心なしか、彼は焦っている。何でだろう。

とん、と彼の肩を押せば、彼の背中は床にぶつかる。白いカーペットに広がる彼の髪。まあ、彼の髪の毛は短いけど。

彼の顔に私の顔を近づける。私の髪の毛が顔にかかってくすぐったそうにしている彼に、微笑んで。

唇に唇を押し付ける。いや、押し当てる。
短い、きすが終わったら、私は彼の唇に噛みつく。

唇には彼の赤い血。

「ねえ、私、あなたの血なら、飲み干せそう。」

唇が痛いのか顔をしかめたまま、彼は私の下で言った。

「何で?
僕を殺したいの?」

ううん、違うわ。

「それほどあなたが好きなのよ。」


"おわりはしのきす"

(何言ってんの?)(まんざらでもないくせに。)
< 38 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop