七夕。ラムネ瓶ごしの片想い
「妹の帰り、遅いから迎えにきた」
とだけ、兄貴は速水さんに言う。そして、
「行くぞ。伊月」
と、身内特有のライトな感じで言って、わたしの手を少し強引に引っ張った。
「愛さんは?」
わたしが聞くと、
「とっくに帰った。あっちも大学生の兄さんがいて、兄さんと帰ってた。だから、俺はお前を迎えにきたんだ」
兄貴はそう言うと、何かおかしかったのか、ぷふふ、と吹き出していた。
速水さんに別れの挨拶、できなかったな。