幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?
第2章 蓮

初体験と解放感

沙菜にキスした。
どうしてそんなことをしたのか、自分でも良くわからない。
ただ、沙菜から拒否されて、心底ムカついたのは確かだ。
結局オレを自転車に乗せるのが嫌だってだけか。
そもそも、おせっかいなことをする沙菜悪いんだ。

「とにかく、明日から電車で行って。定期持ってるんだから。私帰るね」

そう言って沙菜が動いた瞬間、行かせたくないと強く思った。
衝動的に掴んで、そして気付いたらキスしていた。

「嫌!!」

当然沙菜は暴れる。
逃がさないこともできたけど、離してやった。

「なにすんのよ!」

口を拭う沙菜。
そんなにオレが嫌かよ。
汚いものを見るような視線を向けられる。

「沙菜が悪いんだろ」

オレはなぜかそれがショックで、八つ当たりをした。

「はぁ!?」

「おまえオレに雇われてんだから、詮索なんかしねーで仕事だけしてろよ」

そうだ。沙菜はなんだかんだ言っても、最終的にはオレの頼みを断らない。
だけど、今日の沙菜は、オレに近づかれるのも嫌みたいだ。
怯えた瞳を見て、余計にいじめてやりたくなった。

「がめつい沙菜ちゃんは、もしかして、お金払えばこの先やらせてくれたりするわけ?」

「何言ってるの…」

顔面蒼白の沙菜は、走って逃げて行った。

一人取り残され、酷く寂しい気持ちになった。
あーあ、なにやってんだろ、オレ。
なんでこんなに凹んでるんだ?
ついさっきまで、楽しくやってたのに。

沙菜がぶち壊したんだ。
沙菜がオレ達の中にありすを入れてきたから。
オレと沙菜は、そういうんじゃないだろ?
よそ者を入れてくんなよ。
それはそれ、じゃねーか。

オレは学校ではありすと付き合ってるけど、家にまで持ち込む気はないんだよ。
オレの家族と、沙菜の家族。
オレの大切な場所。
それをずっと守っていきたかったのに。
沙菜はオレを拒絶した。

じゃあ、どうすればまた、受け入れてくれる?
わからない。

この次の日から、オレは電車で学校に行くようになった。
また、沙菜に拒否されるのが恐かったんだ。
なんだ、このモヤモヤは。
良くわかんねー。
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