幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?


「ここまで送ってくれてありがとうね。今日は楽しかったね」

「そうだね。今度また誘っても大丈夫かな?」

「うん。私も美術部のみんなも大歓迎だよ」

「そうじゃなくて、個人的に三波さんを誘いたいんだけどな」

また木田君はドキッとさせることを言う…。

「本当は彼女になってほしいけど、それが難しいなら友達としてからでいいから」

木田君の声のトーンが変わった。

え?ええ…!?
これって、告白?

カーッと頭に血が上った。
私、今確実に顔が紅いぞ!
何を言えばいいんだろう?
あわあわとしてしまって、全然言葉が出てこない。

「友達からでも、駄目かな?」

木田君は少ししょんぼりしてしまった。
私は慌てて首を振った。

「ううん、てか、もう木田君とは友達だと思ってるし。ただ…」

ああ、なんて言えばいい?
どうすれば木田君を傷つけずに済む?
次の言葉を必死に探しても見つからない。

「ありがとう。三波さんにそう思ってもらえてるだけで、嬉しいよ」

「木田君…」

「俺、気が長い方だから、気にしないで」

「え?」

「それじゃ、今日はここで」

「うん」

「また学校で」

そして木田君は爽やかな笑顔で手を振ってくれた。

「うん。バイバイ」

その笑顔に釣られて自然と自分も笑っていた。

木田君。
ほんっとーーーーーに!いい人!
癒しキャラだよね。

気まずさを残さない気遣いのお陰で、1日の楽しい余韻に浸って家路に着くことができた。
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