幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

あいつに彼女ができた

「おっはよ!」

「朝から元気ねー…」

今日も蓮を乗せて、学校までの道のりをえっちらおっちら自転車漕いで進む私。
蓮はいつも以上に上機嫌だった。
やかましく話しかけてくる蓮を黙殺して、やっと学校へ辿り着く。

「はい…着いたよ…」

ああ、気温の上昇と共に、本気で余裕なくなってきた。
夏場は休業かな…。

「今日もご苦労さん」

ポンっと肩を叩かれる。
ムカツク…。

「おはよう」

息を整えていると、聞きなれない声で挨拶された。

「おはよう」

可愛い声にとりあえず挨拶を返して声の主を見ると、小柄で髪が長くて、物凄く可愛い女の子がいた。
誰だろう。見たことないな。

「おはよっ」

蓮がパッと表情を輝かせて女の子の方に駆け寄る。
あ、蓮の友達か。

「三波、紹介する。俺の彼女」

「はあ、彼女ね…」

軽い酸欠で適当に相槌を打つ私。
…て待って。彼女って言った?

「か、彼女!?」

やっと意味を飲み込んで、女の子と蓮を凝視してしまった。

「同じクラスの麻賀(アサカ) ありす ちゃん」

蓮が誇らしげに彼女を紹介する。
麻賀ありすちゃんという女の子は、ちょっと恥ずかしそうにペコリとお辞儀をしてくれた。
慌てて私もペコリと返す。

「北河君から三波さんの話を良く聞くんですよ。私ともお友達になってください!」

はにかんだ笑顔を向けられてしまった。
なぜ、敬語?
ま、いいけど。
だって、すっごく性格も良さそうだし。
蓮め。女を見る目が上がったな。

「もちろん、こちらこそよろしくね」

蓮が私をどう説明しているのか知らないけど、とりあえず麻賀さんから敵意は全く感じないので、私はホッとした。

「ありす、行こう」

蓮が麻賀さんを促す。

「あ、三波さんも一緒に」

なんて優しい言葉をかけてくれるんだ…。

「私はいつもここで涼んでから教室行くんだ。ありがとね」

バイバイ、と私は手を振った。
蓮は私などお構いなしに、麻賀さんの手を握って校舎へ向かう。
麻賀さんは、ちょっと申し訳なさそうな表情をしていた。

あ!今日の運賃貰ってない!
ま、仕方ないか…。
明日まとめて貰うことにしよう。
私は蓮と麻賀さんの後ろ姿を見送った。
< 9 / 134 >

この作品をシェア

pagetop