両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
あんなめちゃくちゃな演奏をしてしまったのに。
演奏を終えた唯冬は拍手をたくさんもらって、私のところに戻ってきた。

「おまたせ。本当に姉さんは人づかいが荒いな」

「まあ、失礼ね!せっかくのスタインウェイを飾り物にするつもり?」

「はいはい」

唯冬は笑いながら、軽く流すと小百里さんはため息をついた。

「唯冬。千愛ちゃんと暮らし始めたなら、家のほうにもきちんと話をしないと駄目よ?」

「わかってる。ちゃんと両親には説明するし、千愛のことを紹介する」

「それならいいけど」

小百里さんは仕方のない弟ねと言いながらキッチンに入って行った。

「小百里さんはお嬢様なのにカフェ経営をしているの?」

「ああ。小百里は腹違いの姉だから。俺と弟とは父親だけ同じ」

「そうなの。弟もいるのね」

「俺と違って親に従順で真面目な弟がいるよ。大学の法学部に通ってる」

「優秀ね」

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