家出少女、拾われる
 旅に出る


 私は家を出た。
 あの家族に別れを告げるために。
 私は昔から家族の愛を感じられなかった。私は厄介者、そんな雰囲気をひしひしと感じていた。


 私、斎藤雫は17歳は旅に出るのだ。
 私が真に愛される場所を目指して。


 私はまず電車を乗り継ぎ、近くの都会に出た。
 スマホは、親からの通知がうるさいから切った。
 たぶん、もうしばらくは開けることはないだろう。


 私の全財産は、親からくすめとった10万円札。
 ただ、それだけだ。それだけで、私は生きてやる。
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