先生、それは取材ですか?

いつもの日常へ


編集部・神崎『先生、進捗どうですか?』
編集部・神崎『あと2日ですよね?』
編集部・神崎『起きてますか??』
編集部・神崎『先生?????』
編集部・神崎『生きてますよね??????』
編集部・神崎『もしもし???????』
編集部・神崎『先生、生存確認!!!!!!』

「ひぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

もうこれ、完全に詰んでるやつじゃん……!!

「……先生、現実逃避してる場合じゃないですよ?」

橘が呆れた顔でこっちを見る。

「うぅ……だって……もう無理……締め切り、間に合わない……」

「大丈夫ですよ。先生の手が動く限り、なんとかなる」

「ならないよ!? 残り2日でネームすら完成してないんだよ!? 無理だよ!?」

「じゃあ、今から徹夜でやりますか?」

「ムリィィィィィ!!!!」

絶叫する私を見て、橘が小さく笑う。

「仕方ないですね……じゃあ、僕も手伝います」

「え……?」

「先生が寝落ちしないように、横で監視してます」

「それ……手伝いって言う?」

「言います」

「詐欺だよね!?」

そう言いながらも、橘は私のデスクに置いてあったペンを手に取った。

「ほら、先生。時間ないですよ?」

「……」

はぁぁぁぁぁ……

……もう、やるしかないか。

「……橘、徹夜覚悟してる?」

「もちろん」

「じゃあ、今から地獄の原稿作業だからね?」

「ええ、楽しみですね」

……この人、もしかしてドMなんじゃないだろうか。
< 18 / 118 >

この作品をシェア

pagetop