今日はあなたを困らせたい
「本当に、覚えてないのか?俺の事。」

「えっ?」

私は少しタカさんから体を離し、失礼な程に頭のてっぺんから、足の先まで見つめた。


まさか、前に会った客?

いやいや、アカウントブロックしてるから、一度会った客は、私には書き込みできなくなってるはずだし。

もしかして、アカウントの名前、変えてる?

それにしたって、一度寝た客の顔は、覚えている。

学校は行ってなくても、そういうのは、記憶力がいい。

でも、覚えてない。

絶対、客じゃないと思う。


「どこかで……お会いしました?」

やっぱり警察?

市役所の人とか?

どうしよう……

本当にヤバイかも。


するとタカさんは、はぁーとため息をついた。

「無理もないか。去年、1度話しただけだもんな。」


去年!?

1度話した?

警察に捕まってないし。

市役所の人とも、話してない!

私、一体誰と話したの!?


「俺は……」

タカさんは、私に向かってこう言った。

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