宇宙で、推しとウエディング!?
「俺たちの星では、そういう文化はない。俺たちの星で一番大切なモノは、桜の木だからな」
そっか。色んな星があるんだな。
わたし、固くなりすぎてた。もっと、この状況を楽しんだ方がいいのかも。
だって、宇宙なんて、そうそう来れないんだし!
「お前は百面相が、うまいな」
いつのまにか、サカエくんはお盆を手に持っていて、下皿を手に、桜の絵の描かれた湯のみを、コトンとテーブルに置いた。
また、ふわりと桜の香り。
これ、桜茶だ。ショッピングモールのお茶屋さんで、試飲したことある。
「桜モチに、桜あられに、桜チョコレート。それとも、軽食がいいか? 桜エビの天丼なら、材料があるぞ」
「エッ……桜エビ?」
あえて、桜ずくしのメニューにふれてなかったけれど。
桜エビって、エビだよね…? 桜味じゃないよね?
ツっこんだほうが、いいのかな。
「どうした?」
「なんでもないよ! サカエくん。お茶、ありがとう!」
「茶ぐらい、いくらでもいれてやる」
サカエくんの、入れてくれたお茶かあ。いや、もったいなくて飲めないよ!
「冷めるぞ」
心を読まれたかのようにそう言われちゃったので、仕方なくイスに座る。
桜の花びらが浮かんでて、かわいい。
さらにサカエくんは、桜モチや桜エビのおせんべいを乗せた大皿を、持ってきてくれる。
「い、いただきます…」
「遠慮するな。桜の木は、気前がいい。とくに、久しぶりの客人だからな」
「うん。でもやっぱり、その……桜メニューなんだね。全部、桜の味なんだ」
「俺も地球に行ったときは、驚いた。桜茶以外のお茶があるし、桜以外のモチがあるとは。惑星ブロッサムは、桜の木が神さまだ。だから、これは当たり前のことだ」
「なるほど。だから、桜推しなんだ」
「桜推し、というのは何だ? まあ、そういうことだ」
桜モチは、春の和菓子だっけ。一年のなかで、そうめったに、食べないよね。
でも、こんな桜が満開の夢みたいな空間で、桜モチを食べれられるって、そうそうないよね。味わって、食べよう。
わたしは、小さなめいめい皿に乗った桜モチを、手に取る。
前に児童館で、和菓子の作法を習ったことがあるんだよね。
うーん……あれ? 黒文字は、ないのかな。
わたしがキョロキョロしていると、サカエくんが言った。
「どうした?」
そっか。色んな星があるんだな。
わたし、固くなりすぎてた。もっと、この状況を楽しんだ方がいいのかも。
だって、宇宙なんて、そうそう来れないんだし!
「お前は百面相が、うまいな」
いつのまにか、サカエくんはお盆を手に持っていて、下皿を手に、桜の絵の描かれた湯のみを、コトンとテーブルに置いた。
また、ふわりと桜の香り。
これ、桜茶だ。ショッピングモールのお茶屋さんで、試飲したことある。
「桜モチに、桜あられに、桜チョコレート。それとも、軽食がいいか? 桜エビの天丼なら、材料があるぞ」
「エッ……桜エビ?」
あえて、桜ずくしのメニューにふれてなかったけれど。
桜エビって、エビだよね…? 桜味じゃないよね?
ツっこんだほうが、いいのかな。
「どうした?」
「なんでもないよ! サカエくん。お茶、ありがとう!」
「茶ぐらい、いくらでもいれてやる」
サカエくんの、入れてくれたお茶かあ。いや、もったいなくて飲めないよ!
「冷めるぞ」
心を読まれたかのようにそう言われちゃったので、仕方なくイスに座る。
桜の花びらが浮かんでて、かわいい。
さらにサカエくんは、桜モチや桜エビのおせんべいを乗せた大皿を、持ってきてくれる。
「い、いただきます…」
「遠慮するな。桜の木は、気前がいい。とくに、久しぶりの客人だからな」
「うん。でもやっぱり、その……桜メニューなんだね。全部、桜の味なんだ」
「俺も地球に行ったときは、驚いた。桜茶以外のお茶があるし、桜以外のモチがあるとは。惑星ブロッサムは、桜の木が神さまだ。だから、これは当たり前のことだ」
「なるほど。だから、桜推しなんだ」
「桜推し、というのは何だ? まあ、そういうことだ」
桜モチは、春の和菓子だっけ。一年のなかで、そうめったに、食べないよね。
でも、こんな桜が満開の夢みたいな空間で、桜モチを食べれられるって、そうそうないよね。味わって、食べよう。
わたしは、小さなめいめい皿に乗った桜モチを、手に取る。
前に児童館で、和菓子の作法を習ったことがあるんだよね。
うーん……あれ? 黒文字は、ないのかな。
わたしがキョロキョロしていると、サカエくんが言った。
「どうした?」