斑くんの激重愛に抗うためには
「斑くんもアイス食べません? 食べたいフレーバー多すぎたんで、二週目行きたいです」
「腹壊すぞ」
「大丈夫です。アイスで壊したことないので!」
ピースサインを顔の横で掲げる。
元気健康そのものの私がアイスくらいで体調を崩すわけない!
「あっそ。……さっさと連れてけば」
「はーい!」
腕をぐいぐい引いて案内を始めた。
誘えばしぶしぶ付き合ってくれる、本当は優しいお兄ちゃんみたいな存在──だと私は思ってる。
斑くんが私をどう思ってるかは知らない。
一応幼なじみ、ではあるのかな? 私が一つ下の学年なこともあって、めちゃくちゃ一緒にいたってわけじゃないけど。
だから友達と呼べるほど仲良しではない。
私はもっと仲良くなりたいのに……一定の距離を取られているというか、踏み込ませない領域を感じるんだよね。