隣の部署の佐藤さんには秘密がある

22.すれ違い

 翌日も佐藤さんは休みだった。平日は仕事、土日は撮影で休みがない生活だったから、今のうちに休んでほしい。そんな気持ちで改札を出た私は息を呑んだ。たくさんの女性たちがスマホを向けている先には、巨大な広告がある。昨日まではビールの広告が貼ってあったはずなのに、今日は隙のない佐藤さんがそこにいた。

 その日のランチを終えた後、みゆきと一緒にブラブラしていたら、本屋に並んでいる佐藤さんが目に留まり、思わず立ち止まった。

「KOTA、カッコいいよね。」
「こーた?」
「最近デビューしたモデル。何歳なのか、どこに住んでるのかわからないんだって。」
「へぇ……」

 その日の帰り、私は佐藤さんが載っている雑誌を買おうと本屋へ向かっていた。すると、スマホに着信があった。

「はい、宮島です。何かあったんですか?……はい、わかりました。今行きます。」

 私は電話の相手から指定された場所へ向かった。
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