私を忘れた彼を やっぱり私は忘れられない
俺が結婚していたと知れば裕美も
諦めるだろう。

これからも妹として気にかけて行く。

それでは駄目なのか。

今は俺に依存してしまっている裕美を
どうしたらいいのか俺自身分からない。

もう一度幸と暮らしたマンションに戻って
そこらで買ったボストンバックに残った
スーツ3着とネクタイをつめた。

クローゼットの引き出しを開けると
俺の下着や靴下だけがきちんと
たたまれて残っていた。

それを見て、幸がもうここにいない事を
思い知った。

入るだけいろいろ詰め込んだ。

幸が作った小さなぬいぐるみが
クローゼットの奥に落ちていた。

中古のミシンで色々楽しそうに作っていた
幸の顔を思い出して泣いた。

そのぬいぐるみを自分の持ってきたバックに
しまって最後にもう一度ベッドに座って
幸を抱いた時の事幸の裸を初めて見た時
それだけでいってしまいそうになった事
幸の感じている顔が美しすぎて困った事を
思い出してまた泣いた。

このベッドで二人抱き合って眠ったのだ。

あの幸せをもう取り戻すことは
できないのだろうか?

2度と幸をこの腕に抱くことは
できないのだろうか?

こんなに幸を愛しているのに、幸でないと
ダメなのに幸がそばにいないと息が
できないのに心が死んでしまったようだ。

幸は俺を探しながら俺を待ちながらこんな
気持ちでいたのだろうか?

ずっとここに居続けてくれた幸の気持ちを
思うとまた泣けてきた。
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