ラスト・ゲーム

願い事

誰かの幸せ

(杏奈side)
かなたちゃんが…
「…と言うわけで、優勝は萩野杏奈やーーー！」
…これで私は、願いを叶えられる…
でも…
『私も、神奈さんも、幸せになれる、最高の願い事を叶えて』
あれが、かなたちゃんが願った、最期の最後の願い。
そんな願いが…あるの？
「さてさて！萩野杏奈、願い事を叶えてあげるでー」
神奈の幸せ。
私の幸せ。
かなたの幸せ。
さあや、モカ、吉良、すみれ、加奈、晴美、若菜といったここで殺された人たちの幸せ。
かなたちゃんの学校で殺された子たちの幸せ。
私の学校で殺された子たちの幸せ。
これを全て叶えるにはーーーーーー
「萩野杏奈、君は何を願うんや？」
息を大きく吸い、空気を震わせる。

「あやめに殺された子全てが生き返り、あやめが二度とデスゲームなんてしない」

「…は？」
「これが私の願い」
「ど、どうしてや！あやめを…ていうか妹を生き返らせるんじゃないんや！？」
「これは、私だけの願いじゃない。かなたちゃんの、神奈の、ここで殺された子たちの、その他の場所で殺された子たちの…全員の願い。さあ、叶えて」
「…」
カナエにとっては自分たちがいなくなるような願いだ。
でも、これで、みんなが幸せになれる。
「………okや」
！
「叶えたる」
「…あ、ありがとう…！」
「ほな目を瞑りな」
目を瞑る。
待っててね。
かなたちゃん、神奈…みんな。
次の瞬間意識が途切れた。