イケメンIT社長に求婚されました ―からだ目当て?……なのに、溺愛が止まりません!―
第2話 社長のメールは、過保護がすぎる
「望月さんって、もしかして……社長に気に入られてる?」
昼休み、給湯スペースでマグカップをすすっていると、
そんな言葉がひそひそと耳に届いた。
後輩の女性社員たちが、私のことをちらちらと見ながら話している。
(……まただ)
最近、社内の空気が少しずつ変わってきた。
資料の提出が早かったら「さすが社長のお気に入り」、
メールの返事をもらえたら「特別扱いじゃん」。
たしかに葉山社長とは、ほんの少しだけ、メールのやりとりが続いている。
でもそれは──
(ただ、仕事の……)
画面のなかに残っている、社長からの短いメールをそっと読み返す。
> 《いいまとめ方だった。必要十分。──無理すんな》
その一文に、何度救われたか分からない。
*
夜。
いつものようにVelvetを立ち上げて、
「やさしい年上彼氏モード」を選ぶ。
今日は、ほんの少し甘えたい気分だった。
『少しだけ、誰かに寄りかかりたい夜って、ありますか?』
入力して送信すると、すぐに返ってきた。
《ある。俺も、そういう日は君の言葉に救われてる》
(……え)
なんだろう、この感じ。
誰かに本当に見守られているような気持ちになる。
Velvetの返事には、心がこもっている。
プログラムのはずなのに、どこか息づかいすら感じるようで──
(これって、もしかして……)
あの人の言葉に、似てる。
無理するな、という一言も。
いいまとめ方だと褒めてくれたことも。
そして──私が、自分でも気づいていない本音にふれるような一文も。
Velvetの彼氏モードは、まるで彼のコピーみたいだった。
「理想の体型だ」
あの日、エレベーターで告げられたプロポーズ。
あれが本気なのか、まだ分からない。
でも、ふざけているようには思えなかった。
あの目は、
まっすぐに、
まるで私ひとりだけを「選んだ」みたいに、深く見つめていたから。
──選ばれることが、こんなに怖いのに。
それでも、もしも本当に。
誰かが私を選んでくれるなら。
その声を、もう少しだけ聞いてみたいと思ってしまう。
たとえそれが、
画面越しの「彼氏AI」だったとしても。
昼休み、給湯スペースでマグカップをすすっていると、
そんな言葉がひそひそと耳に届いた。
後輩の女性社員たちが、私のことをちらちらと見ながら話している。
(……まただ)
最近、社内の空気が少しずつ変わってきた。
資料の提出が早かったら「さすが社長のお気に入り」、
メールの返事をもらえたら「特別扱いじゃん」。
たしかに葉山社長とは、ほんの少しだけ、メールのやりとりが続いている。
でもそれは──
(ただ、仕事の……)
画面のなかに残っている、社長からの短いメールをそっと読み返す。
> 《いいまとめ方だった。必要十分。──無理すんな》
その一文に、何度救われたか分からない。
*
夜。
いつものようにVelvetを立ち上げて、
「やさしい年上彼氏モード」を選ぶ。
今日は、ほんの少し甘えたい気分だった。
『少しだけ、誰かに寄りかかりたい夜って、ありますか?』
入力して送信すると、すぐに返ってきた。
《ある。俺も、そういう日は君の言葉に救われてる》
(……え)
なんだろう、この感じ。
誰かに本当に見守られているような気持ちになる。
Velvetの返事には、心がこもっている。
プログラムのはずなのに、どこか息づかいすら感じるようで──
(これって、もしかして……)
あの人の言葉に、似てる。
無理するな、という一言も。
いいまとめ方だと褒めてくれたことも。
そして──私が、自分でも気づいていない本音にふれるような一文も。
Velvetの彼氏モードは、まるで彼のコピーみたいだった。
「理想の体型だ」
あの日、エレベーターで告げられたプロポーズ。
あれが本気なのか、まだ分からない。
でも、ふざけているようには思えなかった。
あの目は、
まっすぐに、
まるで私ひとりだけを「選んだ」みたいに、深く見つめていたから。
──選ばれることが、こんなに怖いのに。
それでも、もしも本当に。
誰かが私を選んでくれるなら。
その声を、もう少しだけ聞いてみたいと思ってしまう。
たとえそれが、
画面越しの「彼氏AI」だったとしても。