魔法使い時々王子
第十四章 旅人の王族
廊下に駆ける侍女の声が耳に入った瞬間、アリスは手にしていた書をそっと閉じた。
「——殿下が、帰国なさいました!」
アリスの胸の奥で、久しぶりに小さな高鳴りが跳ねる。
王族としての形式に縛られる日々の中で、自由奔放な従兄弟ダリウスだけが、心をさらけ出せる存在だった。
「……ダリウスが、また突然……」
胸の奥で、何かがふっとほどけるような感覚が広がった。
王族として過ごす日々の中で、心から笑える相手は彼くらいしかいない。
幼いころから、アリスにとってダリウスは“風”のような存在だった。
どこからともなく現れては笑い、好き勝手に言ってはまた旅立ってしまう。
けれどその自由さが、どこか羨ましくもあった。
「陛下へのご挨拶を済ませたあと、すぐにお部屋へお越しになるそうです」
侍女の報告に、アリスは思わず微笑む。
「きっと、またお土産話が山ほどあるのでしょうね」
窓の外では、春の風が庭の白薔薇を揺らしていた。
アリスの胸の内にも、同じような軽やかな風が吹き込む。
久しぶりに、退屈な王宮に色が戻る予感がした。
「——殿下が、帰国なさいました!」
アリスの胸の奥で、久しぶりに小さな高鳴りが跳ねる。
王族としての形式に縛られる日々の中で、自由奔放な従兄弟ダリウスだけが、心をさらけ出せる存在だった。
「……ダリウスが、また突然……」
胸の奥で、何かがふっとほどけるような感覚が広がった。
王族として過ごす日々の中で、心から笑える相手は彼くらいしかいない。
幼いころから、アリスにとってダリウスは“風”のような存在だった。
どこからともなく現れては笑い、好き勝手に言ってはまた旅立ってしまう。
けれどその自由さが、どこか羨ましくもあった。
「陛下へのご挨拶を済ませたあと、すぐにお部屋へお越しになるそうです」
侍女の報告に、アリスは思わず微笑む。
「きっと、またお土産話が山ほどあるのでしょうね」
窓の外では、春の風が庭の白薔薇を揺らしていた。
アリスの胸の内にも、同じような軽やかな風が吹き込む。
久しぶりに、退屈な王宮に色が戻る予感がした。