魔法使い時々王子
国王の執務室を出ると、ルイは深く息をつき、レイに声をかけた。
「……レイ、私の部屋に来てくれ。話がしたい」
レイは緊張した面持ちのまま頷く。
ルイの私室に移ると、レイは落ち着かない様子で部屋の中を行ったり来たりし始めた。
普段は冷静沈着な彼にしては珍しいほど、動揺が隠せていない。
「いずれ、アリス様に婚姻の話が固まる日が来ることは……覚悟していました。しかし……」
レイは握った拳を胸の前に当て、苦しげに続けた。
「……あまりにも急すぎます。アリス様に、どうお話しすればよいのか……」
ルイは静かにその姿を見つめ、長い沈黙のあとに低く言った。
「……私も同席しよう。
舞踏会は明後日だ。アリスは、きっと……いや、間違いなく酷く動揺する」
レイは唇を噛んでうなずく。
「アリス様は、まだ何も知らず……きっと夢にも思っておられないでしょう。
急に『婚約が決まった』などと……心を痛めないはずがない」
ルイは椅子に座りながら天を仰ぐ。
王族として多くのことを諦めてきた彼だからこそ、アリスに背負わせる重さが痛いほど分かっていた。
「……妹には好きな道を歩ませてやりたかった。
だが……父上の決断は既に覆らない」
部屋の中に重たい沈黙が落ちる。
レイもまた、眉を深く寄せたまま呟く。
「アリス様は……なんと言われるのか……」
ルイは目を閉じた。
「どんな反応であれ、私たちが支えるしかない。」
「……はい。」
二人はそれ以上言葉を交わさず、ただ重い現実と向き合うように、しばし黙り込んだ。
「……レイ、私の部屋に来てくれ。話がしたい」
レイは緊張した面持ちのまま頷く。
ルイの私室に移ると、レイは落ち着かない様子で部屋の中を行ったり来たりし始めた。
普段は冷静沈着な彼にしては珍しいほど、動揺が隠せていない。
「いずれ、アリス様に婚姻の話が固まる日が来ることは……覚悟していました。しかし……」
レイは握った拳を胸の前に当て、苦しげに続けた。
「……あまりにも急すぎます。アリス様に、どうお話しすればよいのか……」
ルイは静かにその姿を見つめ、長い沈黙のあとに低く言った。
「……私も同席しよう。
舞踏会は明後日だ。アリスは、きっと……いや、間違いなく酷く動揺する」
レイは唇を噛んでうなずく。
「アリス様は、まだ何も知らず……きっと夢にも思っておられないでしょう。
急に『婚約が決まった』などと……心を痛めないはずがない」
ルイは椅子に座りながら天を仰ぐ。
王族として多くのことを諦めてきた彼だからこそ、アリスに背負わせる重さが痛いほど分かっていた。
「……妹には好きな道を歩ませてやりたかった。
だが……父上の決断は既に覆らない」
部屋の中に重たい沈黙が落ちる。
レイもまた、眉を深く寄せたまま呟く。
「アリス様は……なんと言われるのか……」
ルイは目を閉じた。
「どんな反応であれ、私たちが支えるしかない。」
「……はい。」
二人はそれ以上言葉を交わさず、ただ重い現実と向き合うように、しばし黙り込んだ。