魔法使い時々王子
王宮の大広間では、舞踏会の準備が慌ただしく進められていた。
シャンデリアが磨かれ、装飾が整えられ、侍女や使用人たちが忙しく行き交う。
――この舞踏会で、アリスの結婚が発表される。
そう思うと、シドは唇を軽く噛み締めた。
胸の奥で小さな違和感が波打つ。
自覚してしまった感情が、まだ言葉にはならない。
ただ、心のどこかでざわついていることは確かだった。
執務室に戻り、ロザリアの指示で雑用を片付ける。
書類を整理し、魔法の計算式を確認し、手元の作業に集中するふりをする。
その時、ロザリアが思い出したように口を開いた。
「そういえば、今度の舞踏会の護衛をあなたに頼みたいという要請があったわよ」
「またですか……」
シドは軽く溜息をつきながら答える。
乗り気ではない様子に、ロザリアは一瞬沈黙した。
だがシドの目の奥には、わずかに緊張と決意の色が浮かんでいた。
自分の気持ちを表に出さずとも、アリスのそばにいる覚悟だけは、確かにそこにあった。
シャンデリアが磨かれ、装飾が整えられ、侍女や使用人たちが忙しく行き交う。
――この舞踏会で、アリスの結婚が発表される。
そう思うと、シドは唇を軽く噛み締めた。
胸の奥で小さな違和感が波打つ。
自覚してしまった感情が、まだ言葉にはならない。
ただ、心のどこかでざわついていることは確かだった。
執務室に戻り、ロザリアの指示で雑用を片付ける。
書類を整理し、魔法の計算式を確認し、手元の作業に集中するふりをする。
その時、ロザリアが思い出したように口を開いた。
「そういえば、今度の舞踏会の護衛をあなたに頼みたいという要請があったわよ」
「またですか……」
シドは軽く溜息をつきながら答える。
乗り気ではない様子に、ロザリアは一瞬沈黙した。
だがシドの目の奥には、わずかに緊張と決意の色が浮かんでいた。
自分の気持ちを表に出さずとも、アリスのそばにいる覚悟だけは、確かにそこにあった。