魔法使い時々王子
翌日も、アリスはアウルム図書館へ向かった。
昨日と同じ、陽が沈みかける夕暮れ時だった。
予想どおり、リトは同じ場所に座り、静かに本を読んでいた。
まるで時間が止まっているかのように、昨日と何ひとつ変わらない。
アリスは彼の前まで歩み寄ると、大きく深呼吸をした。
けれどリトは、彼女が近づいたことに気づいていながら、ページをめくる手を止めようとしなかった。
アリスはそっと彼の向かいに腰を下ろし、その顔をじっと見つめた。
「……なんだよ」
不意に、リトが視線だけをこちらに向ける。
「あなた、何歳なの?」
アリスが問いかけると、リトは短く答えた。
「十歳だ」
やはり、とアリスは思った。
見た目は幼いのに、その落ち着きや口調は、とても十歳とは思えない。
アリスは視線を巡らせ、天井まで伸びる本棚を見上げた。
「ねえ、この図書館……どうして“アウルム図書館”っていうの?」
するとリトは、まるで当然のことを説明するように言った。
「過去に“知の英雄”アウルムが残したとされる図書館だからだ」
その言葉は、この静かな場所に、長い年月の重みをそっと刻むようだった。
昨日と同じ、陽が沈みかける夕暮れ時だった。
予想どおり、リトは同じ場所に座り、静かに本を読んでいた。
まるで時間が止まっているかのように、昨日と何ひとつ変わらない。
アリスは彼の前まで歩み寄ると、大きく深呼吸をした。
けれどリトは、彼女が近づいたことに気づいていながら、ページをめくる手を止めようとしなかった。
アリスはそっと彼の向かいに腰を下ろし、その顔をじっと見つめた。
「……なんだよ」
不意に、リトが視線だけをこちらに向ける。
「あなた、何歳なの?」
アリスが問いかけると、リトは短く答えた。
「十歳だ」
やはり、とアリスは思った。
見た目は幼いのに、その落ち着きや口調は、とても十歳とは思えない。
アリスは視線を巡らせ、天井まで伸びる本棚を見上げた。
「ねえ、この図書館……どうして“アウルム図書館”っていうの?」
するとリトは、まるで当然のことを説明するように言った。
「過去に“知の英雄”アウルムが残したとされる図書館だからだ」
その言葉は、この静かな場所に、長い年月の重みをそっと刻むようだった。