魔法使い時々王子
第二十四章 春庭に揺れる心
舞踏会から、数週間が過ぎた。
柔らかな春の光が差し込む窓辺で、アリスは一通の手紙を静かに読んでいた。
——シドからの手紙だった。
そこには、ルイ王子にすべてを伝えたこと。
そして、アリスに時間を与えてほしいと頼んだことが綴られていた。
どれほど順調に事が進んでも、この計画の実行には二、三ヶ月はかかるという。
だから——焦らず、ゆっくり考えてほしいと。
そして最後に。
もし、セオを愛しているのならば——
この話はすべて白紙に戻す。
星晶の件は、両国の国王に委ねる。
そう、はっきりと書かれていた。
アリスは手紙を閉じる。
静かに、深く息を吐いた。
そのまま視線を窓の外へと向ける。
やわらかな春の空。
穏やかな景色とは裏腹に、胸の内は少しも落ち着かなかった。
(……もうすぐ)
イスタリア王国の、建国記念日。
シドの手紙にもあった通り——
その日が終わるまでは、ミロとの交渉が再び動き出すことはないだろう。
ほんのわずかに与えられた、猶予の時間。
「……考えないと」
小さく、呟く。
けれど——
その答えは、まだ見えなかった。
柔らかな春の光が差し込む窓辺で、アリスは一通の手紙を静かに読んでいた。
——シドからの手紙だった。
そこには、ルイ王子にすべてを伝えたこと。
そして、アリスに時間を与えてほしいと頼んだことが綴られていた。
どれほど順調に事が進んでも、この計画の実行には二、三ヶ月はかかるという。
だから——焦らず、ゆっくり考えてほしいと。
そして最後に。
もし、セオを愛しているのならば——
この話はすべて白紙に戻す。
星晶の件は、両国の国王に委ねる。
そう、はっきりと書かれていた。
アリスは手紙を閉じる。
静かに、深く息を吐いた。
そのまま視線を窓の外へと向ける。
やわらかな春の空。
穏やかな景色とは裏腹に、胸の内は少しも落ち着かなかった。
(……もうすぐ)
イスタリア王国の、建国記念日。
シドの手紙にもあった通り——
その日が終わるまでは、ミロとの交渉が再び動き出すことはないだろう。
ほんのわずかに与えられた、猶予の時間。
「……考えないと」
小さく、呟く。
けれど——
その答えは、まだ見えなかった。


