魔法使い時々王子
第二十八章 譲れないもの
「ここよね?」
ローズは宿屋の小窓からそっと中を覗き込んだ。
「……明らかに不審者になってるぞ。」
ダリウスは苦笑しながら小声で言う。
「さ、入ろう。」
二人は何食わぬ顔で宿屋の中へ入った。
辺りを見渡すと、ロビーのソファには四人の男が腰掛けている。
身なりからして、彼らがイスタリア王国の使者であることは一目で分かった。
ローズとダリウスは、四人の少し後ろにあるソファへ腰を下ろす。
宿屋の主人が水を運んでくる中、二人はさりげなく耳を傾けた。
「まったく……国王陛下はどうして突然、会談を中止されたんだ。」
一人の男が深いため息をつく。
「せっかく、はるばるミロまで来たというのに。」
「分からん。」
別の男が腕を組んだ。
「ただ、『本日の会談は中止せよ』との伝令が届いただけだ。何かあったのかもしれん。」
「それじゃあ、もう帰国するのか?ここに滞在していても時間の無駄ではないか。」
すると、一番年配らしい男が静かに首を振った。
「いや。今、大臣に確認を取らせている。」
「また突然『会談を再開する』と言われたら、それこそ無駄足だからな。」
どうやら使者たちも、詳しい事情は聞かされていないようだった。
そこまで聞いたところで、ダリウスはローズの肩を軽く叩いた。
「……これ以上ここにいても、新しい話は聞けそうにない。」
ローズも小さく頷く。
「一度、王宮へ戻ろう。」
二人は使者たちに気づかれないよう静かに立ち上がり、そのまま宿屋を後にした。
ローズは宿屋の小窓からそっと中を覗き込んだ。
「……明らかに不審者になってるぞ。」
ダリウスは苦笑しながら小声で言う。
「さ、入ろう。」
二人は何食わぬ顔で宿屋の中へ入った。
辺りを見渡すと、ロビーのソファには四人の男が腰掛けている。
身なりからして、彼らがイスタリア王国の使者であることは一目で分かった。
ローズとダリウスは、四人の少し後ろにあるソファへ腰を下ろす。
宿屋の主人が水を運んでくる中、二人はさりげなく耳を傾けた。
「まったく……国王陛下はどうして突然、会談を中止されたんだ。」
一人の男が深いため息をつく。
「せっかく、はるばるミロまで来たというのに。」
「分からん。」
別の男が腕を組んだ。
「ただ、『本日の会談は中止せよ』との伝令が届いただけだ。何かあったのかもしれん。」
「それじゃあ、もう帰国するのか?ここに滞在していても時間の無駄ではないか。」
すると、一番年配らしい男が静かに首を振った。
「いや。今、大臣に確認を取らせている。」
「また突然『会談を再開する』と言われたら、それこそ無駄足だからな。」
どうやら使者たちも、詳しい事情は聞かされていないようだった。
そこまで聞いたところで、ダリウスはローズの肩を軽く叩いた。
「……これ以上ここにいても、新しい話は聞けそうにない。」
ローズも小さく頷く。
「一度、王宮へ戻ろう。」
二人は使者たちに気づかれないよう静かに立ち上がり、そのまま宿屋を後にした。