魔法使い時々王子
翌日。

アリスは図書室へ向かった。

中へ入ると、いつものように本を読んでいるリトの姿があった。

「リト!」

アリスが声を掛けると、リトが顔を上げる。

「どうした?」

「ねぇ、リト。一緒にアヴェリア宮殿へ行かない?」

「嫌だ」

即答だった。

「ええー、どうして?とても素敵な場所なんでしょう? 一緒に行きましょうよ」

「行ってどうするんだ。母上なら、そのうち戻ってくる」

「そうだけど……早くお礼が言いたいし、それに……」

アリスは言葉を止めた。

少し俯き、膝の上で手を握る。

今は……何も動けない。

じっとしていると、嫌なことばかり頭をよぎる、

アリスは小さく息を吐いた。

リトは何も言わずアリスを見つめる。

そして、すべてを察したように大きく息を吐いた。

「……はぁ」

「リト?」

「アヴェリア宮殿までは遠いぞ」

「旅するみたいで楽しそうじゃない!」

その笑顔を見て、リトは面倒くさそうに顔をしかめた。

「……」

「ね?」

「……好きにしろ」

「やった!」

その時――。

「なになに! なんの話?」

明るい声が図書室に響いた。

振り返ると、そこにはローズとダリウスが立っていた。

「二人とも、いつからそこに……?」

アリスが驚いて尋ねる。

ローズはニコニコしながら二人へ近づいてきた。

「アヴェリア宮殿って聞こえたんだけど!」

ダリウスも興味深そうに二人を見た。
< 425 / 425 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

レムナント
tiara../著

総文字数/48,381

ファンタジー98ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
子持ち冷酷王子×王子の側近 「…俺にはルーンを一生かけて守っていく義務がある。」 「私は殿下の側近です。いつもお側にいて殿下の力になりたい…!」 王宮ラブファンタジー 十十レムナント十十
白雨の騎士
tiara../著

総文字数/104,720

ファンタジー219ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「…あの人が居ると白雨が降るの。白雨の後には虹が出るわ。」 国王の娘で時期女王 アリス 「近衛隊に入る事が俺の夢なんだ。」 王宮の近衛になる事を夢見る青年 シド 姫 × 騎士 王宮ラブファンタジー ++ 白雨の騎士 ++
Christmas Rose
tiara../著

総文字数/96,842

ファンタジー190ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
◇◆◇◆◇◆◇◆ 国王になるべくして育てられた一国の姫 「…男として生きてきた私が、今更、女になどなれるのか。。」 大国の次期国王候補 「これからは、俺の為に生きるんだ。」 男勝りな姫 アリスと 心優しい王子 シド ***二人が送る王宮ラブファンタジー*** Christmas rose 〜男勝りなお姫様〜 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop