自爆しないで旦那様!
「嘘、でしょ?あれも、蛇……?」
「なんつーもんを飼ってやがる、研究室……!逃げろリッちゃん!頑張れ!」
「頑張れと、言われても……!きゃあ!?」
余所見をしていたせいで段差に躓いた。
リーシャが地面に膝をついてしまった、その瞬間。
「ぎゃう!」
ポケットからラズが転がり落ちた。
そして、まさかの展開が訪れる。
近くにいた普通サイズの蛇がパクリとラズを咥え、ゴクリと呑み込んだ。
目の前で一部始終を見ていたリーシャが固まる。
言葉にならない。
あっという間だった。
ラズが、喰われた。
「ラズ!!」
リーシャは叫びながら慌ててラズを呑み込んだ蛇を捕まえようとした。
今すぐに蛇を殺せばラズが助かるかもしれない。
けれど後ろから強く腕を引かれ、リーシャは蛇と引き離された。
振り返ればそこには苛立った様子のエミリオが。
「何やってるんですか!?危険です!」
「でも、ラズが……!食べられて!助けなきゃ!」
半狂乱になるリーシャ。
その時だった。
ラズを呑み込んだ蛇に異変が起こった。
ピカッ!と、蛇の体が赤く光り出したかと思うと、内側から爆発して粉々に弾け飛ぶ。
そうしてバラバラになった蛇の中から出てきたのは、チョコレート色の髪が特徴的な見覚えのない青年だった。