『夫のことが好きなのに*.✿.*』
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『滉星、それで禊を済ませたと思ってるんだろうけど、もう遅いよ。
今更だよ。
何故、今断ち切れるのならもっと早くに、私に知れる前に
断ち切ってくれなかったのか』

などと思うけど、きっとそれは違うのだろう。


6か月(半年)彼女と付き合ったからこそ、断ち切れるのかもしれないと
私は漠然とこの時そう思った。

これが1か月早かったなら、夫は断ち切れなかったかも。

考えても過ぎてしまったことだから、意味ないと思うけど
拉致もないことを考えてしまった。

夫から彼女とのことを聞き出した私は、物わかりの良い女を演じた。

演じた?

そうとも言えないか……。

半分本心でもあったから。
夫を相手の女、石田とかいう人と半分こに分け合うなんて気持ち悪過ぎる。

婚姻関係を結んだあの日に、私たちは困難にもめげず互いに助け合い、
生涯仲睦まじく暮らしていくことを、誓ったのではなかったか。

祝福してくれた大勢の人たちの前で、夫婦として添い遂げるための
『誓の言葉』を……
『それぞれの決意』を……

ふたりの言葉で紡いだというのに。


私との神聖な誓を破ったこの(ひと)とこの先、何を頼りに……
何を道しるべに……生きていけばいいというのか。


あ~、全くまったくもって生きていける気がしないー。



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