君の隣が、いちばん遠い
わたしたちは並んで歩き始めた。
自然に手が伸びて、指が触れ合う。
それだけで、胸がいっぱいになる。
「寒くない?」
「ううん、大丈夫。……一ノ瀬くんこそ」
「俺は、ひよりが隣にいれば平気」
さらりと、そんなことを言うから困る。
鼓動が跳ねて、顔が熱くなるのを感じる。
街はすっかりクリスマス一色だった。
イルミネーションで彩られたアーケード。
赤と緑のリボンで飾られた店先。
どこもかしこも、わたしたちを祝ってくれているみたいだった。
「ほら、あそこすごくきれい」
わたしが指さした先に、光のトンネルがあった。
いくつもの小さな電球が天井に吊るされて、まるで星の道みたいに続いている。
「行ってみようか」
うなずいて、ふたりでトンネルをくぐる。
周囲のカップルも、幸せそうに手をつないで歩いていた。