君の隣が、いちばん遠い


わたしたちは並んで歩き始めた。

自然に手が伸びて、指が触れ合う。

それだけで、胸がいっぱいになる。


「寒くない?」

「ううん、大丈夫。……一ノ瀬くんこそ」

「俺は、ひよりが隣にいれば平気」


さらりと、そんなことを言うから困る。

鼓動が跳ねて、顔が熱くなるのを感じる。


街はすっかりクリスマス一色だった。

イルミネーションで彩られたアーケード。

赤と緑のリボンで飾られた店先。


どこもかしこも、わたしたちを祝ってくれているみたいだった。


「ほら、あそこすごくきれい」


わたしが指さした先に、光のトンネルがあった。

いくつもの小さな電球が天井に吊るされて、まるで星の道みたいに続いている。


「行ってみようか」


うなずいて、ふたりでトンネルをくぐる。

周囲のカップルも、幸せそうに手をつないで歩いていた。

< 252 / 393 >

この作品をシェア

pagetop