君の隣が、いちばん遠い
③不安と向き合う、夜のノート
推薦入試当日まで、あと三日。
その数字が黒板に書かれた朝。
わたしは思わず深く息を吸い込んだ。
クラスメイトたちはざわつきながらも、それぞれの進路や志望校の話をしている。
推薦が終わった人、これから面接を控える人、一般で受けると決めてすでに切り替えている人。
でも、わたしはまだここにいて、推薦入試に挑むという現実が、足元を固めるように迫っていた。
「ひよりちゃん、今日の放課後、久遠先生と面接練習でしょ?」
隣の席の女子に声をかけられ、わたしは「うん」と返した。
「がんばってね。……倍率、すごいんでしょ?」
「十五倍、らしい」
「うわ……ひえ……でも、ひよりちゃんならきっと大丈夫だよ」
「ありがとう」
微笑んでみせたけど、正直、心はずっとぐらぐらしていた。