ホワイト・サマー・エンド
こいつのことは嫌いじゃない。
衣都のことを羨ましいと思ってくれるだけでなんだか気分が良くなるから。
踏み込んできてくれるのも嬉しい。
こいつのおかげで、今も衣都といるような気分になる。
所詮幻覚だけど、ないよりもマシだし。
夏の青空を見上げる。
何も知らないような顔をして紙パックのジュースを飲む友人を見て、ふっと笑みを浮かべる。
「あいつはね、」
彼の黒い目に、アンニュイに笑う俺が映っている。
もしかしたら、こいつは、どこか衣都に似ているのかもしれないと、その瞳を眺めながら思う。