その声を聞かせて
そしてまた唇をとらえられ、下唇を甘噛みされる。

「口…もっと開けて」

そう言ってキスを交わしながら甘美な沈黙が私を包む。

こんな…
いいのだろうか…

今更だけどこの状況に脳がついて来ない。

一切これまで異性としての顔を見せなかったくせに、急にこんな…

あんな曲を作ってしまうくらい私を想ってたわけ?

「んっ…」

でもこのキスが全てを物語ってるように感じてならない。

「由麻。俺の彼女になってよ」

こんな事まで言われて…
断れない。

私は返事のかわりにしがみついた。

「これはどういう意味? イエス? ノー?」

私を抱きしめ返して頭を撫でながら質問してくる凌。

「……ノーの反対」

本当可愛くないよね私。

「由麻。ちゃんと言え」

凌は私を起こして真剣な顔を向ける。
誤魔化しは許してくれないらしい。

「イエス! イ、エ、ス!! んっ…!」

ムキになって叫ぶように答えるとすかさずキスで口を塞がれてしまった。

「良くできました」

なんなのこの人…

凌はこうやって私を懐柔していくんだ。

でもそれが不思議と嫌じゃない。
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