その声を聞かせて
すると軽くストレッチを終えた彼は、慣れた感じでサンドバッグにパンチやキックを入れていく。

キックボクシングか。

うまい。

波瑠もチラチラと彼を気にして見ているが話しかけたりはしないようだ。

私はロッカーで着替えを済ませて、波瑠がいるカウンターへと向かう。

「波瑠、あの人上手いね」

私はコソコソっと波瑠に話す。

「ああ。でもなんか喋れないらしい。ここの入会も筆談だったとか」

「筆談? 耳聞こえないの?」

「いや、そこまではわかんねぇ」

「ふぅん…」

まぁいろんな人いるしね。

ふと時計を見れば21時。

明日休みだし、上映されてる洋画のアクションコメディ見に行っちゃおうかな。

波瑠に挨拶をしてジムを出て私は映画館へ向かう。
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