禁断の恋〜グラジオラス〜
復讐と執念
僕らはルールを決めてからはルールを守りつつ、これまで通りの幸福な日々を送っていた。
だが、そんな幸せはいとも簡単に崩れ去ってしまうことも知らずに…
放課後
「サト」
「シオ!」
「…ふっ、何だか慣れねーな。その呼び方」
「でっ…でも!前より親しくなれた気がして僕は嬉しいよ!」
僕は照れながらも本音を伝える。
「ありがとう、俺も嬉しい」
こうして放課後のふたりきりの時間を過ごしていると担任が入室して来た。
「お前らちょっと来い」
担任に連れられるまま僕らは校長室へと案内される。
「お前ら…本当に付き合ってるのか?」
「…どこで知ったんですか?」
シオが先生に問う。
「それは言えない…だが、今朝匿名で告発があったんだ。これ、お前らだよな?」
先生は数枚の写真を机に並べ始める。
その写真は確かに僕達だった。
「…」
「…」
証拠を突き付けられ僕もシオももう何も言えなくなっていた。
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その後、両親にも連絡が行き僕は母さん。シオはお父さんが校長室に来た。
「どういうことだ、シオン」
合流して早々、シオのお父さんはシオを責める。
「…」
「お前には婚約者だって…!」
「俺は親父が決めた結婚じゃなく、心から愛している人と一緒に居たい。それだけなんだ…勘当してくれても構わないから、俺の自由にさせ…」
シオの言葉を遮るようにシオのお父さんはシオの頬をビンタする。
「同性で幸せな家庭など築ける訳ないだろう!」
「…幸せかどうかは俺が決める!第一、これは親父の人生じゃない!俺の…俺だけの人生だ!」
シオの叫びは校長室に響き渡る。
静まり返った校長室の沈黙を破るように母さんは言った。
「…ねぇ、サト。どうしてこんなことになったの?まずは、理由を教えて頂戴」
「僕の一目惚れだったんだ。猫を愛でるシオンさんが格好良くて…そこから毎日話しかけて、仲良くなって、告白して…今に至ります」
「…貴様!俺のシオンになんてことを!」
僕に向かって拳を振り上げるシオのお父さんを先生と校長先生が押さえつけて、場を収める。
「とにかく、そういう付き合いが駄目だとかではなく、不快に思う方も居られますので…過剰なスキンシップなどは禁止。そして、ふたりには暫く謹慎処分を命じます。親御さんと話し合ってこのまま学校を続けるか辞めるかを決めてください」
「「…はい」」
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こうして、母さんと話し合って決めた処分は学校は引き続き通い、『連絡の自粛』と『在学中の接触禁止』だった。
「母さん…ごめんなさい」
「良いのよ、それに薄々感ずいてたわ」
「そうなの!?」
「そうよ。ほら、前に家に来てくれたことあったでしょ?アルバムを見た時とても目が輝いて居たもの。それに好きな人のことは何でも知りたくなるし、知れて嬉しかったんだなって感じたわ」
母さんの寛大な措置に感謝しつつ、母さんのカンの鋭さに驚いた。
「そっか…」
「えぇ」
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謹慎処分を明けて、僕はシオに連絡を入れた。
だが、シオからの返信はない。
心配に思っても今、教室に行けば浮くし、先生が抱く僕に対しての印象も悪いだろう。
僕は焦れったい気持ちを掻き消そうと顔を叩いたり、顔を洗ったりした。
が、シオのことで頭がいっぱいで上の空だった。
そんな僕の心情を知ってか知らずかホームルームに来た担任はシオの退学を報告して来たのだった。
だが、そんな幸せはいとも簡単に崩れ去ってしまうことも知らずに…
放課後
「サト」
「シオ!」
「…ふっ、何だか慣れねーな。その呼び方」
「でっ…でも!前より親しくなれた気がして僕は嬉しいよ!」
僕は照れながらも本音を伝える。
「ありがとう、俺も嬉しい」
こうして放課後のふたりきりの時間を過ごしていると担任が入室して来た。
「お前らちょっと来い」
担任に連れられるまま僕らは校長室へと案内される。
「お前ら…本当に付き合ってるのか?」
「…どこで知ったんですか?」
シオが先生に問う。
「それは言えない…だが、今朝匿名で告発があったんだ。これ、お前らだよな?」
先生は数枚の写真を机に並べ始める。
その写真は確かに僕達だった。
「…」
「…」
証拠を突き付けられ僕もシオももう何も言えなくなっていた。
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その後、両親にも連絡が行き僕は母さん。シオはお父さんが校長室に来た。
「どういうことだ、シオン」
合流して早々、シオのお父さんはシオを責める。
「…」
「お前には婚約者だって…!」
「俺は親父が決めた結婚じゃなく、心から愛している人と一緒に居たい。それだけなんだ…勘当してくれても構わないから、俺の自由にさせ…」
シオの言葉を遮るようにシオのお父さんはシオの頬をビンタする。
「同性で幸せな家庭など築ける訳ないだろう!」
「…幸せかどうかは俺が決める!第一、これは親父の人生じゃない!俺の…俺だけの人生だ!」
シオの叫びは校長室に響き渡る。
静まり返った校長室の沈黙を破るように母さんは言った。
「…ねぇ、サト。どうしてこんなことになったの?まずは、理由を教えて頂戴」
「僕の一目惚れだったんだ。猫を愛でるシオンさんが格好良くて…そこから毎日話しかけて、仲良くなって、告白して…今に至ります」
「…貴様!俺のシオンになんてことを!」
僕に向かって拳を振り上げるシオのお父さんを先生と校長先生が押さえつけて、場を収める。
「とにかく、そういう付き合いが駄目だとかではなく、不快に思う方も居られますので…過剰なスキンシップなどは禁止。そして、ふたりには暫く謹慎処分を命じます。親御さんと話し合ってこのまま学校を続けるか辞めるかを決めてください」
「「…はい」」
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こうして、母さんと話し合って決めた処分は学校は引き続き通い、『連絡の自粛』と『在学中の接触禁止』だった。
「母さん…ごめんなさい」
「良いのよ、それに薄々感ずいてたわ」
「そうなの!?」
「そうよ。ほら、前に家に来てくれたことあったでしょ?アルバムを見た時とても目が輝いて居たもの。それに好きな人のことは何でも知りたくなるし、知れて嬉しかったんだなって感じたわ」
母さんの寛大な措置に感謝しつつ、母さんのカンの鋭さに驚いた。
「そっか…」
「えぇ」
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謹慎処分を明けて、僕はシオに連絡を入れた。
だが、シオからの返信はない。
心配に思っても今、教室に行けば浮くし、先生が抱く僕に対しての印象も悪いだろう。
僕は焦れったい気持ちを掻き消そうと顔を叩いたり、顔を洗ったりした。
が、シオのことで頭がいっぱいで上の空だった。
そんな僕の心情を知ってか知らずかホームルームに来た担任はシオの退学を報告して来たのだった。