未亡人ママはスパダリ義兄の本気の愛に気付かない
真名は自らの頬を人差し指で掻きながら言った。
「これでも私、学生時代はずっと美術部だったんです。できれば絵画に携わる仕事をしたいなって思ってました。あ、もちろん保育士になって後悔なんてしていませんよ?天職だと自分では思っていますし・・・。」
「そこまで褒めてもらえるなんて・・・ありがとうございます!」
椿は大きく頭を下げた。
すごい!すごいよ、翔ちゃん!!
パパに報告しなくちゃね!
翔真の絵を褒められ、椿は心から嬉しく、翔真を誇らしく思った。
「それでですね。久我山さん・・・翔真君の絵の才能をもっともっと伸ばすべきだと思うんです。私が通ってる絵画教室の先生でとても優秀な絵の講師をしている人がいるんです。草壁銀っていう画家なんですが・・・聞いたことないですか?」
美術の知識に疎い椿には、その草壁銀なる画家がどのような人物なのか知るよしもなかった。
「すみません。勉強不足で・・・。私、そのお名前、初めてお聞きしました。」
「いえ、全然気にしないでください。そんなに有名な画家ではないので。」
真名は両手を振りながら、にこりと笑った。