忘れられぬにおい
待ち合わせ当日、仕事中に薫人《ゆきと》は事故にあって還らぬ人となっていた
わたしの職場と薫人の職場は取り引き先同士ということもあってすぐに会社にも連絡が入った
訃報を聞いたわたしは意識を失って倒れたらしい
立ち直れなかった あっけない現実を憎んだ(人の死のあっけなさを呪った)
天国から地獄とはまさにこのことだった
どれだけ悲しみの淵が深いのか想像もつかなかった
なにもやる気が起きなかった
もう生きてることすらどうでもよくなった
渦巻く負の感情に支配されてた…その方が楽だったから…