犬猿の仲でも溺愛が止まりません!
10 ほんとのデートの時間です
遊園地デートから1週間後、
佐原とデートする日がやってきた。
『気張らんと、ラフな格好で良いからな!』
と、前日にメッセージが来た。
何を着ていけばいいのか、果たしてスカート……いや、無い!
でも、デニムにTシャツじゃラフ過ぎる!?と
悩んでいたところだったのでありがたかった。
その優しさにキュンとしてしまう自分が悔しい。
夏希は、悶々としながら待ち合わせに向かった。
「おう!」
佐原は、いつものようにちょっと早めに待ち合わせ場所に来ていた。
佐原もラフな格好をしている。
「おはよ……」
夏希は、結局いつも着慣れたデニムにTシャツ、リュックにした。
「さ、行こか!」
佐原はニカッと笑い、夏希の手を引き、進み始めた。
「ど、どこ行くの?」
と、聞くが、
「まぁまぁ、お楽しみや!」
とニヤニヤして教えてくれない。
「もうっ!」
むくれるとそれにもニカッと笑い、
電車に乗って、ある場所に着いた。
「ここ……?」
着いたのは、K大学だった。
「俺の大学やで、知らんの?」
「あー、確かにそんなこと言っていたような……」
「今日はテニスやろうかと思てな!」
「え!ムリムリ!やったことないよ!」
「足も速いし、野球やってたんならやれるて」
ふふーんと鼻歌を歌いながら、テニスコートに向かう。
身体を動かすのは嫌いではないから、付いていくことにした。
「うちの大学のテニスコートはOGOBでも借りられるんよ」
「ふーん」
「今日はデェトやから、ちょこっとな!」
まだ上半期が終わったばかり、七月の前半なのでそこまでは暑くないのが良かった。
「着替えも借りられるみたいだから、借りてこ〜まぁ、忘れ物を貸し出し用にしてるぽいけどな!」
卒業生などが忘れ物をそのままにすることはよくある。
本当はちゃんと持ち帰ってほしいが……。K大も例外ではないようだ。
受付のおばさんに借りたちょっと洒落た運動服を来て、
テニスコートに着いた。